カリーナ
デモスカス族「炎蜘蛛」カリーナ
年齢: 19歳
外観の特徴: 小柄で白い長髪、赤い目をしている。赤や黒い色の服を好む。蜘蛛をモチーフとしたアクセサリーを身につけているが、変装も得意である。
能力: 運動神経に優れ, 壁をよじ登る技術を持つ。演技力がありスリや秘密の調査も得意である
魔法: 火炎系
性格:悪戯ずきで人をからかうことを好むが本質的には正義を求め義侠心に富んでいる。友人のためにはどんな犠牲も払う(しかし親しい者にはツンデレである)
人をいじるのは好きだが、いじられるのは大嫌いである。また彼女の過去には触れてはならない。
Back Story
「炎蜘蛛」の名で知られるカリーナは、世界の腐敗した権力者たちと戦うために設立された秘密結社「アーニン」の活動家です。勝ち気な性格で部下を統率するカリスマ性もそなえています。
アグニの宮廷から逃亡した世界で最も有名な泥棒「火の魔女」の娘である彼女は、言葉を覚えるより先に通行人のポケットをあさったり、壁をよじ登ったりしていました。そして、彼女が話し始めたとき、最初に覚えた言葉のいくつかは魔法の呪文でした。
魔族の多くがそうであるように混沌としていても至福に満ちた子供時代でしたが、ある日起きた突然の悲劇によってそれは中断されることになりました。
それはいつもの簡単な仕事のはずでした。小さな領主の邸宅での盗み。
彼女と母親はその日、ささやかなパーティーのゲストをもてなすために雇われていました。手品や踊りを披露したり、詩を読んだり、食べ物や飲み物を出したりして。そうして客の注意を引きつけている間に、父親が安全に二階の書斎に忍び込んで領主の金庫を空にする手はずでした。
両親はこれまでにも同じような仕事を数多くしていましたが、カリーナがパフォーマーとして正式に母親と一緒に行動するのは初めてでした。10歳になったばかりの彼女は、両親から信頼されるだけの訓練をすでに受けていました。
すべては計画通りに進み、かわいい子供とエレガントな母親は、その魅力と手品のトリックですべてのゲストを楽しませていました。
「ああ、あなたはとても上手ですね。こんな少ない聴衆の前で披露してもらうのは本当にもったいない気がします」
ゲストの一人、派手な金髪のかつらをかぶり顔に白い粉のついた中年女性が言いました。
「しかし実際のところ…」
彼女は少しかすれた声で続けました。
「きっとそのような技術は宮廷でしか学べないはずです...ヘタな俳優なら、これほど優雅に火の舌で朗読することはできません! 」
彼女はからかうような口調で続けていましたが、突然カリーナの母親に近づ
き、髪を掴みました。
「見せろよ、その赤髪を。裏切り者の魔女よ!以前にそのトリックを披露していたのを見たことがあるから、あなたがどこでトリックを覚えたかは知っていますよ!」
火の魔女は生涯ただ一つの職業です。彼らはアグニの宮廷でボディーガード兼エンターテイナーとして重宝されていて、結婚したり子供を産んだりするために「火の王」の宮殿を離れることは許されていませんでした。宮廷からの逃亡者は火魔法の秘密だけではなく、宮殿の秘密の廊下やそこに出入りしている人々を知っているため権力者にとって危険な存在でした。そのため多額の報奨金がかけられていて追手から容赦なくつけまわされることになるのでした。
カリーナの母親はそのため常日頃からこのような状況に備えていました。
しかしその夜、ついにデモスカスの呪いが彼女に降りかかりました。
今までみたいに素直に謝罪して、その魅力と涙を誘うような哀願で状況を打開する代わりに、彼女は突然に燃え上がった自尊心、つまり制御不能な炎の火花に捕らえられてしまったのです。カリーナの母親が中年女性の手首を掴み返してその手に力を込めると、女はいとも簡単に掴んだ赤い髪から手を離しました。
「気安く触らないでよ、ババア」
彼女は驚くほど低い声でゆっくり言いました。
かつらの女性は危険に気づかず、痛む手首をさすりながらこう続けました。
「やっぱり、あなたは魔女なんです!ああ、うれしいですね、私たちは莫大な報酬金を手に入れることができるでしょう、もしかしたら宮殿に近づくことさえできるかもしれません!ほら、皆さん!彼女を捕まえるのを手伝ってください、彼女はただの小さな女性です…」
そうして…すべてが燃え出して、あちらこちらで煙があがりました。激しい混乱の中で、カリーナは母親から最後の言葉を聞きました。カリーナは最後の瞬間に見知らぬ人の手によってさらわれながらもなんとか生き残りましたが、両親には二度と会うことはなく、彼らに降りかかった本当の結末を知ることもありませんでした。その瞬間から彼女が知ったのは、デモスカスの呪いが彼女の家族と幸福を破壊したということだけであり、彼女はそれをどうしても受け入れることができませんでした。なぜこのような過酷な運命に耐える必要があるのでしょうか?あなたが最も大切にしているものを壊す運命に従わなければならないのでしょうか?
デモスカスの呪い。この世界に生まれたすべての魂が耐えなければならない罰。それは魂が再び純粋になるために必要な前世の罪の償いでした。
純粋な不正義。別の世界、別の時代で、自分が犯していない罪の代償を払うということ...
カリーナは思いました。いつの日かこの不正義を正してやりたいと。
カリーナはそのスキルのおかげで、若い年齢にもかかわらず、危険に満ちたストリートでやすやすと生き延びることができました。そうして自分自身と同じような苦境に陥った他の不幸な子供たちを守りました。彼女は両親から学んだ方法で、ストリートキッズたちの小さな一団を訓練したのです。
彼らは暗い運命の影に怯えながらも生き残るために最善を尽くしました。
やりすぎて、あまりにも有名(悪名)になるたびに別の町に引っ越しました。そして、一緒に成長するにつれて、彼らは単なるストリートギャングではなく世界の不正義を正すという厳格な名誉ある目的と指針を備えた完璧な組織へと発展しました。
腐敗した政治家から大金を盗み、囚人を解放し、権力者の恥ずかしい秘密を共有する秘密結社、「アーニン」の誕生でした。いつの日にかそれはすべての生きる者たちに自由意志を与え、尊厳を奪い返すという最終的な目標に到達することでしょう。